負の世界遺産:アウシュビッツ強制収容所

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ポーランド観光の本丸、
アウシュビッツ強制収容所へ。

私は友人の勧めで、アウシュビッツ唯一の日本人ガイド、
中谷氏に事前にコンタクトを取って、日本語ツアーに参加しました。

結論から言わせてもらうと、絶対に、日本語ガイドにした方がいいです。

他には英語ガイドもあるし、ガイドなしで入場も可能ですが、
こういう場所は、芸術なんかと違って単に見て感じるよりも、
きちんとした情報に沿って、理解を深める必要があると思うからです。

私は事前にある程度の歴史知識を持って、ツアーに参加しましたが、
それでも日本語ガイドにして良かったと、100%自信を持って言えます。

というか、事前に知識を持った上での、日本語ガイド、ってのが鉄板。
事前知識なしで日本語ガイド、だと、ちょっともったいない気がします。

アウシュビッツで起こった惨劇をざっくり説明させてもらうと、

世界有数の大国ドイツが第一次世界大戦で負けて、
どん底まで堕ちた時代、現れたのがヒトラー率いるナチス軍。

ナチスの理論は、こんな感じです。

いま俺たちがこんな状況になっているのは、ユダヤ人たちのせいだ。
あいつらを排除して、優秀な、私たちゲルマン民族で理想郷を作ろう。

現代の人から見れば、ハァ?何言っての?って感じですが、
当時はそうじゃなかった。

国盗り合戦をしていた激動の時代、
まず、民族団結の意識ってのがすごく強かった。

同じ民族でコミュニティを作ろうとしたり、
それを守ろうとする意識が、どの国でもかなり働いていたのです。

それから、その当時のドイツのどん底っぷりは、ハンパじゃなかった。
もう希望の光なんて、一寸もささないほど真っ暗だった。

そこに、こういうひとつの可能性が提示されたわけです。

もうね、選択肢なんて、もともと1つもないんですよ。
そこに選択肢が1つポコッって現れたら、そりゃ誰だって飛びつきますよ。

もちろん中には飛びつかない人だっているんですが、
じゃあその選択肢を否定できるかといえば、そうじゃない。

否定したところで、代替案なんて何もないからです。

そうすると、必然的にこういう狂信的な政策でも、是とされてしまうのです。

それが人間の恐ろしいところ。
いや、世の中の恐ろしいところなんです。

この流れで作られたのが、アウシュビッツ強制収容所。
ここに送り込まれたのは、ユダヤ人、政治犯、ジプシーなどなど、
まぁ要するに、ゲルマン民族以外の、一言でいえば「目障り」な人たち。

強制収容所に送り込まれた人たちは、どうなるかっていうと、
まず財産を没収され、労働力になりそうかどうかで選別され、
身ぐるみを剥がされ、

そして、労働力になりそうな人以外は、そのままガス室で殺されるんです。

到着して、数時間のうちに一斉に殺されるんです。

「はい、服脱いだら、ここ入ってー。」

「プシュー(ガスの音)」

「終了ー。はい、次の50人来てー。」

そんな感じ。

だいいち、全員を収容するスペースは元々ないわけですし、
収容したところで、色々コストがかかるわけで、土台無理なんです。

だから、労働力にならない、子供、女性、障害者なんかは、
もうほぼ連れてこられた時点で、死が確定しているようなもの。

また女性の場合、髪の毛が、衣類の繊維として利用できるとして、
丸刈りにされ、そのあとでガス室に送られたのです。

その刈り取られた、おびたただしい数の髪の毛が、
このアウシュビッツには、今も展示されています。

館内は写真撮影禁止なので、お見せできませんが、
というか撮っててもお見せしづらいですが、

もうそれは、ゾッとするような景観です。
身の毛もよだつとは、正にこのこと。

ちなみに、幸か不幸か、労働力になりえると認定され、
ガス室での即死をまぬがれた人たちは、過酷な労働条件で、
働かされ続けたわけです。

どっちにしたっていずれ死んでしまうほどの、過酷な状況の中で。

だって、もともと全員殺すつもりだったんですから、ナチスは。

でも、どうせ殺すんだったら、搾り取れる限り、搾り取ろう。
活用できる限り、使い倒してやろう。

そういう残酷なコンセプトの場所なんです、ここは。

でもね、これだけ非道なことが、なぜ起こり得たのか?

現代社会だってそうです、狂ったような事件が起こるのはなぜでしょうか?

それはその人たちの頭がおかしいからでしょうか?

皆さんは、どう考えますか?


これって、ガイドの中谷氏の問いかけでもあるんですが、

私は私なりの結論を持っています。
その結論を持って、今回この旅に出ました。

話すとかなり長くなるので、別の記事で書きたいと思います。
興味がない人は読まないでね。 →「人は人生を変えられない」

こちらは絞首刑台。

収容棟の周りに張り巡らせた有刺鉄線。

収容された人達の寝床。ベッドというより、ただの箱。

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