耳をかくなら、耳かきか綿棒か。
たぶん読者の皆さんは、そんな質問を、
月水金ぐらいのペースでされてると思うんですけども。
私は迷わず、綿棒派。
だけど、そういえば綿棒切らしてから久しいんだった。
ちょっと綿棒でも買ってこようかな、と思い立ったある日。
日本に居ると、本当にモノのクオリティが高すぎて全く気づかないのだけど、
海外のモノは、何でもかんでもやっぱりショボい。
綿棒ひとつとってみても、海外のものは芯の部分がヘロヘロなので、
耳をかいていると、綿棒がポキって折れちゃう。
今がいちばんの力の入れ時ですぞ!
ってとこで折れちゃう。
ものすごく些細なことなんだけど、意外とストレス溜まるもんで、これが。
それが嫌でしばらく綿棒は買ってなかったんだけど、
いやー、そろそろ耳の方も限界ていうか。
そろそろストライキでも起こされそうな空気漂わせてたもんで。
こりゃあ流石に社長も決断の時っていうか。
重い腰を上げて、市場まで探しに行くと、ものの3分ぐらいで見つかったわけです。
15円ぐらいの綿棒が。
まぁ所詮グアテマラクオリティのショボショボ綿棒だろうから、
これでいっか、って感じで即決。
だけど、これが間違いだった。
家に帰って、早速耳かいてみて。
ふんふん、やっぱ海外の綿棒はうまく耳がかけないな~。
そんなことを思いながら、綿棒を耳から抜いてみたならば。
出てきた物体が、何故か10秒前に見たものと違う。
ん?
と思って凝視してみたら、
綿棒の一番重要な部分、綿のかたまりがごっそり無くなってた。
つーか、これただの白い棒じゃん。
いやいや、「白い棒じゃん」とか言ってる場合じゃなくて、
綿のかたまりが、ただいま右耳に潜伏中なんですけど。
何の情報が欲しかったのか知らないけど、
そんな潜伏してる感丸出しじゃ意味ねーぞ、お前。
そういやギリシャ神話でトロイの木馬の話があるんだけど、
戦争中に、とんでもなくでっかい木馬を作ってから、
「いまから城の中に立派な木馬を入れますよ~。」
「決して、怪しいもんじゃないですよ~。」
みたいに入城させてみたら、
木馬の中から大勢に兵たちが飛び出てきて、
「おりゃ~!ひっかかったなバカが~!」
って、もう北斗の拳 状態。それで滅ぼされたって話があるんですけどね。
最初それ知った時は、
こんなアホみたいな罠にひっかかる奴がいるんだなー。
本当にどうしようもないクズだなー。
って思ってたんですけどね。
何ていうんですかね、
現代って、もうインターネットで何でもできちゃうっていうかね。
インターネットで何でもダウンロードできちゃうっていうかね。
何でもダウンロードできるからって、
どうしても見たいエロビのファイルが見つからずに焦って、
変なEXEファイルみたいなのを落として、解凍したらウィルスだった。
っていうね、まぁ実はこれが、
コンピュータ用語で「トロイの木馬」っていうんですけど。
こんなアホみたいな罠にひっかかる奴がいるんだなー。
本当にどうしようもないクズだなー。
って思ってたら、クズ居たなー。すごく身近に。
いや身近っていうかもう、一心同体っていうか。
まぁまぁ、大人としてはどうしようもない、
一番親に知られたくない出来事も、たまに起こっちゃうわけなんですけど。
そこはやっぱり人間なんでね、ミスはつきものだよね。
ミスはしてもいいけど、次はそれが予防できるようにできるのが、
人間のすごいところというかね、大人の知恵というかね。
そんな風に考えてたんですけどね。
完全に再発しましたよね。うん。
予防とか全然できてない感じで。
私の買った綿棒が、もう正にトロイの木馬と呼ぶに相応しい。
「これで耳かくと気持ちいいよ~。」
「うんうん、そうだよね!早速やってみよう。」
ゴソゴソゴソ
「ぐはっ!」
みたいな、ベタベタの展開で。
たぶん私が戦乱の時代に生まれてたら、3日ぐらいで死んだと思う。
いや~、ま~、そんなことよりこいつ、
もう右耳の中ですげーファサファサ言いすぎだから。
ファサファサ言ってるとか言ってないとか、
そんなことはどうでもいいんだけど、とにかくこいつを捕縛してやりたい。
どうにかして取り出したいんだけど、それに適した道具がない。
考え抜いた挙句に、ひねり出したアイディアが、
新しい綿棒で何とかねじり出す、っていう力技。
まぁ実行してから気づいたんですけど、
取れないなぁって思って、耳から抜いた綿棒が、
3分前に見た形と同じだったっていうね。
何これ白い棒じゃん。
出ました本日2回目。
何この確変。
そんなわけで右耳の中で2名のスパイが潜伏中。
すげーファサファサいいながら、たぶんすげー情報集めてる。
近日中にクレジットカードが悪用されると思う。