アイランドホッピング

大人になって勉強しようとすると、こんなにも脳みそ疲労するの?

英語の授業なんて3コマしかないのに、毎日眠くて仕方がない。

昼飯食った後に強烈な眠気がおそってきて、ベットから起き上がれないことがまぁまぁの頻度で起こる。

 

そんな勉強づけの毎日の合間に、数日間の休暇があった。

そこでせっかくだから、みんなでボホール島に行こうってことになった。

【ボホール島】
フィリピンの中ではセブ島やボラカイ島と並んで人気の高い観光地。きれいなビーチがあり、チョコレートヒルやメガネザルなども有名。

 

 

一日島を回って宿に着き、次の日は早朝からアイランドホッピングをしようということになった。

アイランドホッピングというのは、島から島へと船で移動していくアクティビティのこと。早朝ならドルフィンウォッチングもできるらしい。

チェックインした後にビーチに行ってみると、客引きの船乗りがゴロゴロ居た。たとえて言うなら「流しのタクシー」のようなものだ。

友達が何人かと交渉した結果、1日1200ペソ(約2400円)で2つの島に行ってくれるというおじさんがいたので、その人にお願いすることになった。シュノーケリングは1セットで150ペソ(300円)でいいよ、ということになったらしい。

友達は、何度も値段の確認をしていた。

 

翌朝のビーチは美しく輝いていた。テンションが上がった。

約束通り2つの島を回り、レンタルしたシュノーケリングセットを使って海で遊びまくって、とても充実した日だった。

 

 

さて、じゃあ戻りますか。

そんなタイミングで、船乗りがお代を請求してきた。「いくら?」と聞くとなぜか少し高かった。

そこでよく聞いてみると、1セット150ペソと聞いていたシュノーケリングセットが300ペソになっていた。シュノーケリングマスクが150ペソ、フィン(足につけるやつ)が150ペソだという。

事前に交渉していた友達は声を荒げて抗議していた。

「おい、1セットって何度も確認しただろ!」

他の友達もそれにつられて、興奮気味だった。

 

言った言わないの水掛け論になって話し合いが難航し、お互いに黙り込むだけの時間が過ぎていた。

「とにかく払ってくれないと、帰りのガソリン代がないし、島に戻れない。」

船乗りはそう言った。

 

こういう揉め事になった時、「冗談じゃない!」と言って払わずに帰る客もいるだろう。船乗りとしてはそれは困る。

だから離島から出発する前にお代を請求するようにしているのだな、と感心した。これまでに起こったトラブルを経ての改善なのだと。

 

結局私たちがいくらゴネようと、本島に戻れないと困るので払うことになった。

みんな怒っていた。あんなに高かった早朝のテンションがどこかに消えていた。

 

私はむしろ逆で、ものすごく冷めていた。みんなが怒って悪態をついている状況が嫌だった。

そもそも、こういった途上国では想定していた金額より多かったといっても日本円で考えれば100円とか200円。

せっかく旅に出て楽しもうとしているのに、100円200円で気分を下げるのはかえって勿体ないと感じてしまう。

 

金額の問題じゃないというのも分かる。だけど、そうだとしたら本当に悪いのは相手なのか?

もう一度冷静になって考え直してみてもいいはず。

怒りで何も見えなくなって、相手が悪者だという前提で話を進めるのだけは避けたい。私は人を信じたい。

 

旅人特有の現象として、現地の人に対して「観光客相手のボッタクリ」バイアスがかかりがち、というのがある。それが何故なのかは私も分からないが、やたらとボッタクリ扱いしたがる人が多い。

もちろんボッタクリかもしれない。

だけど、ボッタクリじゃない=まっとうな商売人である可能性は、ほとんど考慮されない。

 

私から見て、こういったケースで一番多いのは、英語のネイティブスピーカーでない人同士が英語で交渉していること。

特に旅行者側は、自分の英語力をなぜか過信しがちになる。英語が得意でないことは本来自覚しているはずなのに、自分が会話した内容については絶対の自信を持ってしまうことがよくある。

日本語でさえ、言い方・伝え方に配慮が足りなかったせいで、違うニュアンスで受け取られることがあるというのに、英語でそれが起こらないわけがない。

 

だから、もし相手が騙すつもりじゃなかったのに、あたかも騙されたかのような振る舞いをこちらがしてしまったら、それは相手にとってとても悲しいことだと思う。

もちろん、費用をとにかく安く上げるのは賢いと思う。それは旅において、ひとつの常識なのかもしれない。

だけど、私は人を信じたい。

・相手が私を騙しているのに、信じたせいで、お金を損すること。
・相手は私を騙していないのに、騙されたと勘違いして、信用を失うこと。

もしこの二択があるなら、私は迷わず信じたい。

お金の損など大したことじゃない。

 

もちろん無条件で全て信じるわけじゃないし、相手の話を聞くなり、目を見るなりして、自分の経験から判断することは必要。

私は、帰り際、船乗りと握手して別れた。

 

その日の夜、カジノに行ってプレイしたブラックジャックは、1ゲームの最低ベットが300ペソ。

1ゲームだから、だいたい1分もしないで300ペソが消えていく。

昼間あんなに揉めてた金額が150ペソだったことなど忘れて、300ペソが消えたり増えたりするんだから、人生はおそろしい。

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