アレッピーの宿でたまたま居合わせた日本人、
そしてオーストラリア人(ピーターアーツ似)と共に、バックウォーターツアーに参加。
アレッピーは水郷地帯(バックウォーター)の有名な場所。
大小様々な水路をカヌーボートで進んでいくツアーです。
いくつかの村を抜けていくので、
ここで暮らしている人達の暮らしぶりを見ることができます。
例えば水辺で体を洗っている人、
洗濯をしている人、
それから、その水をダイレクトに口に入れている人、
はっきり言って、最後のは大丈夫なのか激しく疑問なんですが、
まぁそんなことはお構いなしにボートはどんどん進んで行きます。
途中でキングフィッシャー(カワセミ)が飛んでいるのを見つけたら、
その姿に暫し目を奪われ、
そして、再び目を戻すと、
水辺で用を足している子供と、
その水をダイレクトに口に入れている人が居て、
私の疑問はどんどん膨らむばかりなのですが、
そんなことはお構いなしにボートはどんどん進んで行くわけです。
それから途中で、ボート漕ぎのおじちゃんが、
「ココナッツビール飲んでみるか?」
と聞いてきたんですが、
何だか誰も手を挙げない感じで、
皆が皆、「え、どうする?任せるよ?」的なグダグダな流れになり、
そういうのが超面倒くさくなった私は、
「せっかくだから皆で飲んでみよう」と提案して、
1リットルのココナッツビールを皆でシェアすることになりました。
さて、ここで注意していただきたいのは、
ココナッツビールといっても、日本でいう普通の缶ビールや瓶ビールに、
「Coconut Beer」
みたいなラベルが貼ってあって、
冷え冷えのいかにもウマそうなやつが出てきて、
「キンッキンッに冷えてやがるっ!!」
みたいな展開を予想されては困りますよ。
実際には、1リットルのミネラルウォーターの空のペットボトルに、
どこかの家で作ったであろう自家製ココナッツビール。
色はまぁ、ココナッツだから想像できると思いますが、
ストレートにいうと白濁色。
もちろん冷え冷えなんて言葉とは程遠いくらいのぬるぬるです。
ぬるいっていうか、どっちかっていうと、
気温のせいで、ちょっと温かくなってきているぐらいの感じです。
そしてこのココナッツビールがですね、
順当に、言いだしっぺの私の手元にまずやってきたわけですが、
恐る恐る口にしてみると、
なんとまぁ、
予想通り不味いじゃないですか。
一口飲んだ感じではよく分からなかったんですが、
二口飲んでみて分かったのは、若干ゲロっぽいというか、
胃酸のような酸っぱい味がしました。
それでもって、おじさんは「どうだ?美味しいか?」みたいな、
好奇の眼差しを向けてくるので、
「美味しいわけねーだろ」という心の声を完全に消し去ったのちに、
精一杯の笑顔で「うん、美味しいよ、おじさん^^」という、
精一杯の嘘をつくしかないのです。
もう心が痛いです。
そして、他の人ペットボトルをバトンタッチしたんですが、
当然ながら皆同じ反応なのです。
明らかに不味い。
だけど、それは顔には出せない。
そしてとにかく皆が次の人へバトンタッチしたがるペットボトル。
そして1人が「美味しかった。俺はもういいかな。」みたいなことを言い出し、
そしてまた1人が「うん。俺もいいかな。」みたいなことを言い出し、
そして残された俺とピーターアーツは、
ペットボトルに入った残り600mlぐらいの液体と、
先に言ったもん勝ちで逃げていった2人を
恨めしそうに眺めながら、
もはやここでどちらかが「俺もいいかな」とか言ったら、完全な裏切り行為。
そんなよく分からない、連帯責任制度で縛られることになったのです。
何この罰ゲーム。
結局彼がギブアップ気味だったので、
言いだしっぺの私がほとんど飲みました。
「エチケット袋ありますか?」という心の声を完全に消し去ったのちに、
精一杯の笑顔で「美味しかったよ、おじさん^^」という、
精一杯の嘘をまたついてしまいました。
もう心も痛いのはもちろんですが、
そんなことより胃の中がカオスです。
【教訓】
知らない飲み物をオーダーする時は、リーダーシップを取るな。