ウダイプルにさよならを言って、
列車で次の町ブーンディーへ。
列車に乗り込むと、私の席のはずの場所に、
いかついギャングみたいな奴らが陣取っているのです。
なるほど。
この後の展開は多分こうです。
私「あ、すみません。ここ私の席だと思うのですが。」
ギャング(以下G)「あ?」
私「ここ私の席です。あなたのチケットを見せてください。」
G「はぁ?うるせえな。あっち行けよ。」
私「ふふ。言葉で言っても分からないようですね。」
ボキボキッボキボキッ(首と指を鳴らす音)
G「何だとこの野郎!」
ここで殴りかかってきたところを華麗にかわす私。
それから北斗百列拳をお見舞いし、見事に討伐。
するとそこに、勧善懲悪を貫く私の姿に惚れた1人の美女が駆け寄ってくる。
美女「すごい!私をあなたの女にしてください。」
私「ふふふ、俺は正義のために戦わなければならない。だからあなたを危険に巻き込むわけにはいかないんだ。」
美女「ジュンッ(濡)」
何か変に筆が進んでしまって、長々書きましたが、現実的な展開はたぶんこうです。
私「あ、すみません。ここ私の席だと思うのですが。」
G「あ?」
私「ぁ、ぇぇと、ここ私の席、、、ですかね?」
G「あぁ?」
私「いや、あの、だからその、いや、そうじゃなくて・・」
G「お前の席はあっちだろうが。殴られてぇのか?」
私「いや、その、殴られたくはなくて、その・・」
G「じゃ、500ドル払えよ」
私「いや500ドルは持ってなくて、、あの、、500ルピーなら・・」
G「てめぇ!」
私「ジュンッ(失禁)」
というわけで、後者の展開も私は望んでいないので、とにかく自分のチケットを再確認してみることにしたのですが、
そうすると、そのギャングの座っている席と、
それからその近くに空いている他の席と、
そのどちらとも取れるような、中途半端な表記がしてありました。
まぁ無用な殺生を好まない私は、ギャングの座っていない方の、極めて安全と思われる席に着きました。
それからしばらくして、車掌さんがやって来て、
車掌「あ、君はこっちの席だよ。」
と言ってギャングの方を指差すのです。
私「いやその、電車の中で百列拳を出すのはまずいから、私はこの席で・・」
車掌「はい、あっち行って。」
そんなわけでもう私に残された選択肢は、受身の練習ぐらいしか無いので、
何で高校の柔道の授業の時に、もっと真剣に受身の練習をしなかったのかと、今さら後悔する私。
ガクブル状態で席を移動することになったのですが、
話してみると、実はナイスガイのいい奴だった、てゆー。
もちろんギャングじゃなくて、ウダイプルの兵隊で(どうりでゴツイと思った)今日は休暇で実家に帰るところ、とのこと。
無事に百列拳を出さずに済んだ私は、訓練中の写真や、彼女の写真を見せてもらったりして、かなりワイワイ仲良くやって、
最後はブーンディーの駅で見送りまでしてもらって、ハグして別れて、
もうむちゃくちゃいい奴やん!
ウダイプルはインド共和国成立の時まで、自分の土地を守り抜いた屈強な王国。
こんな最高の戦士達が守っているなら、これからもウダイプルは安泰だ。