こんなニュースが飛び込んでまいりました。
米ウォール・ストリート・ジャーナル系「Digits」は17日(現地時間)、米アマゾンが取得した特許からの情報を元に、同社が「顧客が商品を購入する前に、商品を出荷するサービス」を検討していることが明らかになりました。
具体的には、ユーザーが商品を閲覧していた時間やマウスカーソルの滞在時間(例えば、購入ボタンなどの上で押すか・押さないかで迷っていたなど)、過去の
購入履歴を元に「購入する可能性が高いか否か」を判断。まさにビッグデータの有効活用ともいえる仕組みを通じて、先読みで商品を出荷してしまおうというも
のです。なお出荷については、ユーザーが居住する最寄りのハブ(拠点)かトラックとなっています。
…はぁ?
という人のために噛み砕いて説明すると、
Amazon「もっと早く配送したいので、あなたが注文しそうな商品を最寄の配達拠点に置いておきます」
という感じ。
あなたがインターネットで商品を物色している時、そのページでの滞在時間とか、購入ボタンの上にマウスカーソルを置いたかとか、そういう気持ち悪いほどの監視能力と、その他多数の顧客データ(ビッグデータ)から導いた傾向によって、
「よし、こいつ買うで!いつ注文入ってもいいように、早速北海道に送っとけ!」
というサービスを展開するというわけ。
こんなの迷惑だわ、って思う人もいるだろうけど、これってよく考えたら現実世界でも既にあることで、例えば飲食店で、お冷を飲むスピードが速い人がいたら、ピッチャーを持っていって「置いておきますね」って言うとかさ。
お客の行動を観察して、店員のこれまでの経験(≒ビッグデータ)から、相手が望むであろうサービスを先に提供するっていうのと同じことで、それをネットの世界でやっただけだけど、こういうの実際に実現するところがマジすげーって思う。
だけど何か気持ち悪いのはなぜか。
それはやっぱりお客の側に、見られている意識がないからだろうね。
基本的に自分の部屋でインターネットしてたら、鼻くそほじってようが、全裸でいようが、誰も見てないからOKなのに、自分が見ているネットのページは誰か(ショップ)に覗かれてるわけだからね。もちろん、特定の誰かではなくて実際にはロボットなんだけど。
飲食店なんかの場合は、基本的に自分の行動は店員や他のお客に見られるかも、という前提があるから、そこで鼻くそほじったり、全裸になったりしない。だから、自分の中で見られていても不思議じゃなかった行動を、見ててくれたんだ、とか、思えるのかもしれない。
でもね、私が東京で働いていた時のことひとつ思い出したわけ。
職場が六本木だったので、いつも昼休みにはその界隈で昼飯を食べてたんだけど、六本木っていってもいわゆるヒルズ族とか言われてたような人みたいにバブリーじゃなくて、私自身はただのサラリーマンだったので、当然なるべく安いところを探してて。
まぁとにかくあの辺は、ランチでも平気で1000円請求してくるような場所だから、私としてはなんとか700円を切りたい。
だからといって安いとこ探すと、量が少なくて、すぐ腹減るからそういうのも困る。
そういうわがまま過ぎる要求だったんだけど、さすがに都会で人も多いから、そういう願いを叶えてくれるような小さなお店も、中にはあるわけで。
ある日、後輩に「いい店見つけましたよ!」って言われて、連れてってもらった店が、ちょっと路地を入ったところにある小汚い中華料理店だったの。
入ると、いかにも中華料理店らしく、厨房では中国人が4人ぐらいで急がしそうに動いてた。
ホールには観光地とかで客引きとかやってそうなコテコテの中国商売人みたいな男がいて、
「ハイ、何スル?」
と注文を急かしてくるような感じで。
後輩のおすすめはしょうが焼き定食で確か650円ぐらいだったと思うんだけど、
バカなの?
っていうぐらいの超特盛りで、女の子だったら完食するのは100%無理だし、男でもかなりの食いしん坊じゃないとキツイ量だったわけ。
アカウント削除寸前のSNSの日記に、奇跡的に画像が残ってた。
古い日記だから、画像サイズ圧縮されたのかな…?やけに小さい…。マヨネーズのかけかた雑!
キャベツの上に肉が乗ってるように見えるけど、普通に肉だけの高さです。
でも私とその後輩は、結構いつも昼飯で「やべー失敗した」って言うぐらい食いすぎるのが好きだったから、その店はドンズバで、それからちょくちょく通うようになっていって。
で、その店は他のメニューも割と量が多いんだけど、
なんだかんだ言って650円であの量!
っていう意味で、他の追随を許さない人気メニューだったから、結構な頻度でしょうが焼き定食を頼んでたと思う。
そしたら、前述のAmazonじゃないんだけど、ホールの男が「こいつはしょうが焼きが好きだ」って認識したんだな、って分かる日があった。
その日は私が席につくなり、まだメニュー見てないのに
「しょうが焼き?」
って聞いてきた。
それで、こっちも
「え?・・・あ、うん。」
みたいな反応をしつつ、席に着いた。
ホールの男は注文を取ると、
「ハイ、しょうが焼きー!」
みたいに厨房に伝えて、
厨房が「ウェーイ!」って返事するのが、その店の決まりみたいだった。
それからまたしばらく通ってたら、今度はまだ席にもついてない段階で、
ホールの男「ハイ、しょうが焼きー!」
厨房「ウェーイ!」
みたいなやり取りがあった後で、
ホールの男→私に「しょうが焼き?(だろ?)」
っていう、私に対して事後確認みたいな状態になっていって。
でも、さすがに私も毎回しょうが焼きだと飽きるわけで。
たまには他のメニュー頼むかなーとか考えながら入店する時とかあるんだけど、
ホールの男「ハイ、しょうが焼きー!」
厨房「ウェーイ!」
ホールの男→私に「しょうが焼き。(確信)」
っていう進化を遂げていった。
もはやクエスチョンマークすらついてない。
仕方ないので、「ハハハ…」みたいな愛想笑いして、
まぁいいか、しょうが焼きはまぁうまいしな。適当に自分を納得させてたんだよね。
てか、もう厨房も作り始めちゃってるし。
で、そこからさらにエスカレートしていって、
「ハイ、しょうが焼きー!」
「ウェーイ!」
だけになって、もう私に注文すら聞かなくなっていった。
最後にその店行った時は、店に入ろうと思ってドアノブ握った時に
「ハイ、しょうが焼きー!」
「ウェーイ!」
って言ってた。
(一応ドアがガラスなので入る前に姿は見える)
向こうがフライングしてるから、正確に言うと、ドアを開けながら聞こえてくる感じで、
「…ィ、しょうが焼きー!」
「ウェーイ!」
ってね。
それ以来、行かなくなった。
この話すると、盛ってるだろ?って思うかもしれないけど、これがまさかの100%実話。
何事も加減が大事。